専門職社会人音楽家が音楽について書いています。

目指す場所

音楽とは長い付き合いで、4歳からピアノを弾いている。

どういうわけか、職業音楽家にはならなかった。そこそこ学業が良かったので、経済成長真っ只中のこの国で、けっこう稼げる仕事が見つかってしまったためだろう。

でも、音楽と離れることはなくて、大学時代には室内楽や軽音楽でピアノやキーボードを弾いていたし、チェロも弾いていた。

職に着くととても忙しくて、鍵盤にさわることもなく10年がたった。結婚したときに夫がピアノを家に持ってきてくれたので、そこからなんとなくまた弾いた。

真面目にやっているのはここ10年ぐらいのことだ。昔弾いたものをまた弾き、基本の基本をまたやりなおし、劣化した筋力、動態視力、記銘力の対策が最大の課題になった。

でも。年を取るのはいいことで、たくさんの素晴らしい演奏を聴き、たくさんの貴重なレッスンを受け、時代もたくさんの情報をくれるから、昔より素早くいろいろできるようになっている。

若いときのように、技巧だぜ!という曲は、やっぱり弾きたいけど、つまんないな~と思っていたような種類も弾きたくなり、人に聞かせなくても弾きたくなり、完璧に弾くことはむしろ出来ないのだけど、こうしたら素敵かな、と思って弾いている。

音楽はすべてを含んでいる。うれしいことも、かなしいことも、おそろしいことも、すてきなことも。そのすべてを、できることなら、素敵に表現したい。

それが、今、私が目指す場所。